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ロボット支援下鼠径部ヘルニア修復術に対して、日本ヘルニア学会(JHS)からの提言(改定)

はじめに、 ロボット支援下鼠径部ヘルニア修復術(以下、本手術)は、2022年の診療報酬改定では保険収載は見送られることとなりました。現状では、日本における施行状況や施行実態が把握されていません。JHSでは国内での施行状況を把握することが必須であると認識しており、施設登録を推奨しています。JHSに施設登録せずに本手術を独自に行っている場合、大至急JHSへの施設登録と本手術施行症例の全例登録(以下)を行うことを要望いたします。

 

  1. ① JHSへの施設登録( 登録申請フォーム(Word)  登録はメール jhs0601@asas-mail.jp にて提出)
  2. ② 本手術施行全症例に対する鼠径部ヘルニアの新NCD登録(新NCD登録

 

提言)
本手術は、現時点では保険診療に位置づけられていない新規の医療技術に該当します。保険未収載手術に関しては、学会が定めるルールを遵守しつつ安全な導入が望まれます。

 

術者条件

1) 術者および助手は製造販売業者および販売会社主導のトレーニングコースを受講し内視鏡手術支援ロボット使用に関するcertification を取得していること。

2) 術者は消化器外科学会専門医を取得していること。

3) 術者は日本内視鏡外科学会が統括する技術認定取得医であること。

4) 術者および助手は鼠径部切開法そして腹腔鏡下手術法とくにTAPP法について、知識と経験が必要である。学術集会参加やJHS教育セミナー受講などにより、幅広い鼠径部ヘルニアの知識と技術を習得することが望まれる。

 

施設条件

1) 第1例目施行以前に、術者・助手・手術室看護師を含めた医療チームとして、十分な手術の臨床見学を行うこと。

2) 当初は,同手術の経験豊富な指導者を招聘しその指導下に行うこと。

 

手術条件

1) 本手術は臨床研究段階であり、実施に当たっては患者および関係者にその利点および起こりうる偶発症・合併症さらに負担金などについて具体的に説明し、十分な理解の上で同意を得ること。

2) 上記条件を満たした上で,各診療科依存型ではなく,各施設全体としての独自の導入ガイドラインを作成し。各施設の倫理委員会(あるいは臨床研究審査委員会)の承認を得たうえで、安全な手術に努めなければならない。 

2022年6月改定