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ロボット支援鼠径部ヘルニア修復術に対する日本ヘルニア学会からの提言(2026年改訂)

はじめに
 日本ヘルニア学会では、これまでロボット支援鼠径ヘルニア修復術の安全な導入と普及のために2019年6月に初版、2022年6月、2024年11月に改訂版の提言を示してまいりました。この度、ロボット支援鼠径ヘルニア修復術が保険収載されるにあたり、2026年改訂として新たな提言を示すこととなりました。2026年6月以降、当該術式を導入・実施される施設においては適切に遵守いただくことを要望いたします。

 

提言
1.ロボット支援手術に限らず鼠径部ヘルニア手術を安全に施行するためには、鼠径部ヘルニアの正しい知識と一定数の臨床経験が必要である。そのため、鼠径部ヘルニアの基礎知識を十分学習し、各種学会や教育セミナー、成書などで鼠径部ヘルニア手術の知識を深めたうえで、適切な指導体制のもと術者として手術に臨むことを推奨する。

2.鼠径部ヘルニアには、腹膜前腔に広範にメッシュが留置されたあとの再発性鼠径部ヘルニア症例、前立腺癌術後・膀胱全摘後など腹膜前腔の広範剥離後の鼠径部ヘルニア症例、ポリサージェリーで経腹腔内アクセス困難症例などの複雑な症例が一定程度存在する。また海外・国内診療ガイドラインにおいて、複雑症例には一般に鼠径部切開法が推奨されており、ヘルニア手術に造詣の深い外科医が個々の症例に応じ、患者と十分議論したうえで適切な術式を選択することが望ましいとされる。複雑な症例については、プロクターによる適切な指導のもと十分な経験をもつ執刀医が行うなど、診療ガイドラインに準拠した適切な対応を推奨する。

 

3.ロボット支援鼠径ヘルニア手術を行う場合には、以下の手順を行い、日本ヘルニア学会が定めるNational Clinical Database (以下、NCD)登録を行うこと。

(A)NCD登録フォーム https://forms.gle/3GLn1NdS2beudiJ77 より申請を行うこと。

(B)上記(A)の申請後、確認メールが送付される。その確認メールを jhs0601@asas-mail.jp に転送すること。
  ・詳細は 新NCD登録 (https://jhs.gr.jp/pdf/NCD_torokuhoho.pdf) を参照のこと。

 

4.この他、ロボット支援鼠径ヘルニア修復術の術者基準、施設基準、プロクター基準等は 日本内視鏡外科学会のロボット・内視鏡手術の指針
( https://www.jses.or.jp/modules/robot/index.php?content_id=1 ) を参照すること。



2026年4月改訂

 

なお2026年6月以前に当該術式を導入予定の施設は「ロボット支援下鼠径部ヘルニア修復術に対する日本ヘルニア学会からの提言(2024年改訂)」
( robot_support_2024.html) に準拠するよう要望いたします。

 

 

FAQ

1. ロボット支援鼠径ヘルニア修復術を開始するためには事前登録が必要ですか?

はい。まず日本ヘルニア学会の所定の申請手続きが必要です。その後、NCD側の準備が完了すると症例登録が可能になります。
なお、NCDの術前登録は不要で、症例登録はすべて術後登録(事後登録)となります。

 

2. NCDへの症例登録は術前登録ですか、術後登録ですか?

すべて術後登録(事後登録)です。
ロボット支援鼠径ヘルニア修復術において術前登録はありません。手術実施後、NCD登録期限までに登録してください。

 

3. ロボット支援鼠径ヘルニア修復術の症例は開始日以前に登録していないといけませんか?

いいえ。
開始日以降に症例を遡って登録することが可能です。手術後に登録いただく運用となっています。

 

4. NCDへの登録はいつから可能になりますか?

施設のNCD登録状況によって異なります。
新NCDにおける診療科登録は毎月まとめて処理されるため、申請後すぐには登録できない場合があります。NCD側で登録環境が整い次第、症例登録が可能になります。

 

5. 施設登録完了後もすぐに鼠径ヘルニア症例の登録ができません。

施設登録完了後、NCD画面で表示専門医として「消化器外科」を選択してください。
消化器外科を選択すると、鼠径部ヘルニア症例の新NCD登録が可能になります。

 

6. ロボット支援鼠径ヘルニア修復術のNCD登録方法を教えてください。

現在のNCD詳細登録画面からロボット手術の登録が可能です。
ただし、登録時には以下の点にご注意ください。
・「ロボット手術を用いた内視鏡外科手術を企図した手術ですか?」という質問で「はい」を選択しない
・この項目では「いいえ」を選択する
・その後の術式選択画面で「ロボット支援下手術」を選択する
この方法で登録することにより、ロボット支援鼠径ヘルニア修復術として集計されます。

 

7. なぜ「ロボット手術を用いた内視鏡外科手術を企図した手術ですか?」で「はい」を選択してはいけないのですか?

現在のNCDシステムでは、「はい」を選択すると表示される術式候補の中に「鼠径ヘルニア」が含まれていません。
そのため、現時点では
1.「いいえ」を選択
2. 術式選択画面で「ロボット支援下手術」を選択
という方法で登録してください。
現在、システム改修に向けて作業が進められています。

 

8. 鼠径ヘルニアのロボット支援手術に関するNCD登録項目は今後変更されますか?

現在、ロボット支援鼠径ヘルニア修復術のNCD登録項目については、改修内容および改修時期を含めて協議中です。
内容が確定次第、関係施設へ案内される予定です。

 

9. 鼠径ヘルニア手術はロボット手術以外も事後登録ですか?

はい。
ロボット支援手術に限らず、鼠径部ヘルニアに対する手術はすべて事後登録です。

 

10. 日本ヘルニア学会への入会は必須ですか?

いいえ。
ロボット支援鼠径ヘルニア修復術の実施や登録にあたり、日本ヘルニア学会の会員登録は必須ではありません。

 

11. 大腿ヘルニアに対するロボット支援手術は保険適用ですか?

いいえ。
大腿ヘルニアに対するロボット支援手術は保険適用外です。

 

12. hinotoriを用いたロボット支援鼠径ヘルニア修復術を導入する際の要件はありますか?

はい。
すでにhinotoriを用いてロボット消化器手術を実施している場合、または他機種でロボット支援鼠径ヘルニア修復術を実施している場合、日本内視鏡外科学会の指針に準拠し、以下の要件が必要です。
・hinotoriによる鼠径ヘルニア手術の見学を1例以上行うこと
・hinotoriによる鼠径ヘルニア手術経験を有するプロクターを1例以上招聘すること
・上記合わせて2例以上

 

13. 症例は遡って登録できますか?

はい。
症例の遡及登録(後日登録)は可能です。手術後にNCDへ登録してください。

 

14. NCD登録完了の連絡前に手術を実施しても問題ありませんか?

はい。
ロボット支援鼠径ヘルニア修復術は術後登録制度のため、手術実施後に登録することが可能です。NCD登録環境の準備完了後に症例登録を行ってください。