アジア太平洋ヘルニア学会(Asia-Pacific Hernia Society)は2004年から設立準備がなされ、2005年から実質的な活動が開始されました。日本からは本会の冲永、山川両先生がfounding memberとして会の設立時から活動をされています。
2026年のアジア太平洋ヘルニア学会(APHS)が大阪で開催することが決定いたしました。
JHS一丸となって臨みますので、一緒に盛り上げていただければ幸甚です。
理事長 蜂須賀丈博
JHS会員の皆様
ご存知の通り,JHSでは国際化促進の一環として,JHSが所属するAsia Pacific Hernia Society(APHS)へのScholarshipを提供してまいりました。これを得て毎年,選抜された5~7名のJHS学会員がアジアの国々で優れた発表をしています。
さて,今回は、2023年9月にマレーシアのペナン島で開催された第18回APHS年次総会(APHS 2023)に参加された会員の方々の報告書を掲載させていただきます。実はこのAPHS 2023の席上でAPHS 2026の日本招致が決定することになっていたため,日本のプレゼンスを示そうとの思いから,今回は特別に定員枠を拡大して18名にスカラシップを付与いたしました。もちろん,いずれも国際学会に相応しい発表でした。それぞれの報告書からは,APHSを通して素晴らしい経験を得られたことが感じられます。発表者の先生方におかれましては,今回の経験を糧にして,今後も国際的な舞台で益々ご活躍いただきたいと思います。来年のAPHS 2024はシンガポールでの開催が予定されております。会員の皆様におかれましては、奮って応募いただければ幸いです。
理事長 蜂須賀丈博
国際委員会委員長 三澤健之
報告書
恵寿総合病院 | 上野 雄平 | (PDF) |
太田医院 | 太田 勝也 | (PDF) |
千葉徳洲会病院 | 太田 智之 | (PDF) |
旭川医科大学消化管外科 | 大谷 将秀 | (PDF) |
大垣市民病院外科 | 甲斐 巧也 | (PDF) |
ときわ会常磐病院 | 黒川 友博 | (PDF) |
藤沢湘南台病院 | 高村 卓志 | (PDF) |
静岡市立静岡病院 | 小林 敏樹 | (PDF) |
浜松医科大学第一外科 | 佐藤 正範 | (PDF) |
厚生連高岡病院 | 菅野 圭 | (PDF) |
JCHO 徳山中央病院 | 鈴木 有十夢 | (PDF) |
南大阪病院消化器外科 | 瀧井 麻美子 | (PDF) |
東京医科歯科大学消化管外科学分野 | 谷岡 利朗 | (PDF) |
市立東大阪医療センター | 谷田 司 | (PDF) |
市立奈良病院消化器外科 | 中瀬 有遠 | (PDF) |
京都きづ川病院 | 永田 啓明 | (PDF) |
恵佑会札幌病院 | パウデル サシーム | (PDF) |
藤沢湘南台病院 | 福田 敏之 | (PDF) |
JHS会員の皆様
APHS Scholarshipを得て、2019年10月にインドネシア バリ島で開催されたAsia Pacific Hernia Society年次総会(APHS 2019)に参加された会員の方々の報告書を掲載させていただきます。いずれの報告書からも、APHSを通して素晴らしい経験を得られたことが感じられます。JHSとしては、上部組織に当たるAPHSと、今後とも積極的に関係を深めたいと考えております。APHS 2020は、上海での開催が予定されております。来年もAPHS Scholarshipを給付する予定ですので、会員の皆様におかれましては、奮って応募いただければ幸いです。
理事長 早川哲史
国際委員会委員長 吉田和彦
報告書
手稲渓仁会病院 外科 | 今村清隆 | (PDF) |
大垣市民病院外科 | 高山祐一 | (PDF) |
自治医科大学附属さいたま医療センター 一般・消化器外科 | 辻仲眞康 | (PDF) |
東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 外科 | 長谷川拓男 | (PDF) |
東邦大学医療センター大森病院 総合診療・急病センター外科 | 本田善子 | (PDF) |
自治医科大学附属さいたま医療センター 一般・消化器外科 | 前本 遼 | (PDF) |
新松戸中央総合病院外科 | 三田一仁 | (PDF) |
JHS会員の皆様
APHS Scholarshipを得て、2018年11月にドバイで開催されたAsia Pacific Hernia Society(APHS)年次総会に参加された会員の方々の報告書を掲載させていただきます。いずれの報告書からも、APHSを通して素晴らしい経験を得られたことが感じられます。JHSとしては、上部組織に当たるAPHSと、今後とも積極的に関係を深めたいと考えております。本年のAPHS年次総会は、2019年10月3日より5日まで、インドネシアのBali Nusa DUa Convention Centre(BNDCC) で開催が予定されております。本年もAPHS Scholarshipを給付する予定ですので、会員の皆様におかれましては、奮って応募いただければ幸いです。
理事長 早川哲史
国際委員会委員長 吉田和彦
報告書
手稲渓仁会病院 外科 | 今村清隆 | (PDF) |
慈恵医大第三病院 | 諏訪勝仁 | (PDF) |
札幌道都病院 外科 | 西森英史 | (PDF) |
西宮市立中央病院 | 吉岡 慎一 | (PDF) |
大阪労災病院外科 | 若杉正樹 | (PDF) |
第11回APHSを含めた世界の5大ヘルニア学会の合同学会、第1回Abdominal Wall Hernia Surgery(AWHS)学会が、2015年4月25-29日イタリアのミラノで開催されました。当然ながら参加者は世界中から来ていますので、いつものAPHSとは雰囲気が違います。日本人にとっても、ミラノは観光、ファッション、ショッピング、ACミランなど馴染みの深い都市であり、今回は日本からも50人を越える参加者が押し掛けたとのことです。
会場は見本市などが頻回に開催されるCongress Center(MICO)で、やはり見本市に慣れたミラノらしく、会場に入るといきなり広い企業展示ブースに入り、そこを通らないと発表会場に着けないという構造。演題が多く、ポスター発表が多くを占めていたのに、一番奥のポスター会場が寂しかったのがいささか気になりましたが。
演題の内容は一般の鼠径腹壁ヘルニアの他、tailor made surgery、術後疼痛、ロボット手術、スポーツヘルニア、妊娠後の白線哆開など非常に多岐に渡り、さらにほぼ毎日live surgery中継があるなど、内容も普段のAPHSとはひと味違うという印象でした。
筆者自身は久々のヨーロッパで帰国まで時差ボケが直らず、夜のミラノは全く楽しめなかったのですが、ACミランのナイトゲームなどを楽しまれた先生方も大勢いらしたようです。
さて、いよいよ来年はTokyoでのAPHS開催です!
2014年の第10回APHS学会は、11月6-8日にインドのジャイプールで開催されました。ジャイプールはニューデリーから国内線に乗り換えて約1時間の都市です。街並の独特な色合いから通称ピンクシティとして、最近日本でも知られるようになりましたが、インド初心者にとっては、「ジャイプールってどこ?」って感じです。筆者はたまたまジャイプール在住のインド人の知人がいて(奥さんが日本人であり、日本語堪能!)、非常に助かったのですが、他の先生方はアクセスにそれなりの苦労をされたようです。日本からの参加も久々の1桁にとどまったのが残念です。
ジャープールの街中は世界遺産の天文台を初めとして見物は少なくないのですが、それよりも、「人人人車車車犬犬牛ときどき駱駝たまに象」に圧倒されたというのが正直な所です。一方、会場のフェアモントホテルは町の中心から少し離れた所にある高級ホテルで、街中の喧噪が嘘のような別世界でした。
学会の討議ではcompetition形式が多用されており、また「(うちは貧乏だから)腹腔内でも普通のメッシュを入れている」といった発表があったなど、我が国にはない本音が語られていました。特に女性の参加者はインド風の衣装をまとった先生が多く、また、ランチやコーヒーブレイクがインド風料理のバイキング形式(インドの先生の中には右手で器用に召し上がっている方も少なくなかったです)だった、懇親会で大勢のインドの先生方がインド映画さながらにダンスに興じていたなど、いままでのAPHSとは一風変わった印象を受け楽しい会でした。
2013年の第9回APHS学会は、12月27-28日に香港で開催されました。私事ですが、筆者にとって初めての国際学会が英国支配時の香港でした。今回、久しぶりに九龍の街並を歩いたのですが、建物の地上階はすっかりきれいになっている一方で、見上げたビルの上の方の物干し竿はかつての印象と変わらず、奇妙な感慨に耽っておりました。
会場のあるAsia World-Expoは、新しい香港国際空港に隣接した大きな会議場であり、空港や空港ホテルからは極めて近いのですが、その周囲には何もありません。中心地の香港島や九龍からは空港行きの電車で行くのですが、かなり離れており、どこのホテルに泊まったかによって、便利さが大きく違ってきたようです。
学会会場自体はコンパクトにまとめられていました。演壇などは決して狭いわけではなく、また、ポスター会場の位置などは非常に便利で見やすくなっていたのですが、前年までの大きなリゾートホテル会場を見て来た目からは、却っていささか寂しい印象を受けました。進行もスムーズで、言葉が英語でなければ日本の学会のような印象でした。
日本からの参加者も多く、それぞれに香港の夜を楽しまれたようです。
2012年の第8回APHS学会は、10月11-13日にフィリピンのセブで開催されました。我々は「セブ島」とひとまとめにして言っていますが、シティの中心地であるセブ本島の隣、マクタン島に国際空港やリゾートホテルが集中しており、会場のシャングリラホテルもそこにあります。マクタン島の街並は、例えて言えば「昭和30年代の東京下町」とでも言いましょうか、正直きれいという印象はないのですが、人と物と活気に溢れていました。その一方、ホテル内は学会関係者以外の外国人観光客も大勢くつろいでいる超高級リゾートで、空港との送迎もホテルのバスであり、一般の住民とは完全に隔絶された世界です。ホテルに入る車はすべてセキュリティチェックを受けねばなりません。
学会の方ですが、開会式が各国の代表者(もちろん柵瀬先生も)が国旗の元に入場するという豪勢な儀式で始まり、懇親会もビーチで行なわれるなど、南国らしい特色はある物でした。討議のテーマは、術式、感染症、疼痛など多岐多様であり、日本人にとっても違和感のない内容が多かったように思います。逆に、強烈に印象に残った物はあまりないように記憶していますが。いささかスライドが見にくいと感じられた会場もありましたが、進行もスムーズに行なわれていました。
今回は日本人の参加も多く、セブの海も楽しんだ人が多かったようです。ちなみに、私も学会前日はdivingを楽しませて頂きました。
2011年の第7回APHS学会は、11月にタイで開催の予定でしたが、例の洪水のあおりを受けて2ヶ月延期され、2012年の1月11-13日、タイのホアヒンで開催されました。延期の決定が開催予定の数日前になり(ホアヒンそのものは浸水圏からは遥か遠くにあるのですが、ギリギリになってバンコクからホアヒンに向かう高速道路が危なくなったのだそうです)、主催のTHSの方は大変苦労されたようです。参加する我々も航空券の手配などはやり直しになってしまいましたが、学会参加費とホテルの予約はTHS事務局の方がそのまま移行してくれましたので、とくに追加手続きをすることなく参加できました。
ホアヒンはバンコクから車で(かなりぶっ飛ばして)2時間半のリゾート地で、国王の別荘があることで有名ですが、町並みや海岸の様子は正直なところ「南国のリゾート」という雰囲気ではありません。私の印象としては(ロケーションといい雰囲気といい)神奈川県は葉山の御用邸の近くという感じです。海岸でくつろいでいるのは白人ばかりで、町中でただの一度も日本語を見かけませんでした。学会会場のDusit Thani Hotelは老舗の超高級ホテルで、(学会なんかじゃなくて)長期滞在でのーんびりするには最高の雰囲気でした。
さて、肝心の学会の方ですが、延期の影響でしょうか、演題のキャンセルが多く、日本からの参加も私を含めて4人だけといささか寂しかったことは否定できません。その一方でヨーロッパからの参加は多く、多くの演題でEHS分類、EHSガイドラインが引用されており、JHSとしてもうかうかしていられないなという感を強めて参りました。ヨーロッパで実用化されている半溶解性のポリソフト型メッシュなども紹介されていましたが、まだアジアの支社にはサンプルは届いていないとのこと、現物を早く見てみたいものです。日本人が少なかったこともあってか、各国の参加者との(あまり学術的ではない)雑談なども楽しんで参りました。
2010年の第6回APHS学会は、去る10月14-16日に韓国ソウルで開催されました。(他国の方には失礼ですが)さすが韓国KHSで、開催準備段階からJHSへの連絡もなされ、演題の応募やregistrationなどの手続きもきわめてスムーズだったという印象です。それもあってか、日本からの演題発表数は2桁に達し、JHSの国際活動も活発になってきたかなという感を深くしました。
いつもながら、西アジアやヨーロッパなどからの参加も多く、日本とは違ったポイントでの議論も目につきました。たとえば、日本で主流になっている腹膜前腔挿入型メッシュについては(腹腔鏡手術を除けば)議論は少なく、むしろ、Lichtensteinで用いるSelf-gripping meshが話題になるなどです。
晴天とこの時期のソウルとしては温暖な天気に恵まれ、皆様、学会のみならず、ソウルの街も楽しまれたようです。
2008年10月31日から11月3日まで、第4回アジア太平洋ヘルニア学会(APHS、兼第5回中国ヘルニア学会)が北京で開催されました。北京オリンピック終了までは事務局との連絡がなかなか取れないなど、正直言って昨年のシンガポールより手際が悪いなと感じていたのですが、オリンピック終了後は連絡も密に取れるようになり安心して北京に行ってまいりました。
北京の地下鉄は非常に便利で清潔でしたが、さすがに北京は大きいです。学会会場(「鳥の巣」からは歩いて5分でした)までのアクセスが少々大変でしたが、会場の設営や事務はスムーズだったように思われました。私自身の演題のときも、時間に特別な配慮をしてもらえました。中国ヘルニア学会も兼ねていたため、中国人医師の参加が多かったのは勿論ですが、欧州から多数の専門家が参加されていたのは驚きです(懇親会で私の隣にいたのはポーランドから参加された御夫妻でした)。日本からの参加が少なかったのが残念です。
演題としては、再発率などを論じたものは比較的少なく、術後疼痛の問題、腹腔鏡ヘルニア手術の技法、新型メッシュの話題などが目につきました(正直、私も全部見た訳じゃぜんぜんありませんけど)。
APHSの本部ホームページ: www.aphernia.org