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他学会受賞

日本内視鏡外科学会

出月賞 今村清隆

「eTEPを用いた内視鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術の手術成績:腹腔鏡下IPOM修復術との比較」

 

 この度、日本内視鏡外科学会第25回出月賞を受賞しましたことを慎んでご報告いたします。私の腹壁瘢痕ヘルニアに対する関心は、2016年に東京で開催された第12回アジア太平洋ヘルニア学会(APHS)で、各国の進んだ治療を拝見したことに端を発します。より深く知りたいと思い第14回と第15回APHSへ本学会の奨学制度を得て参加しました。APHS会場で知り合ったシンガポールのLomanto教授を翌月に訪問して、eTEP先駆者であるルーマニアにいるRadu教授をご紹介いただきました。コロナ禍になってもeTEPに関するオンライン勉強会を18回開催し知見を集めました。現在は、新たな環境に身を置くことで成長したいという思いから、14年間住み慣れた札幌から離れ、ヘルニア専門診療を行っています。本論文は手稲渓仁会病院での腹壁瘢痕ヘルニアIPOMとeTEPの手術成績を比較したものです。私が受賞できたのも手稲渓仁会病院の皆様、及び日本ヘルニア学会の諸先輩方のおかげです。今後とも一層のご指導をお願いたします。

出月賞 今村清隆先生

 

カールストルツ賞 成田匡大

「保存的加療無効鼠径ヘルニア術後慢性疼痛症例に対する鏡視下再手術の成績と至適術式の提案」

 

 このたび第35回日本内視鏡外科学会総会において、カールストルツ賞に選出いただきました。
 授賞対象となった発表は、「保存的加療無効鼠径ヘルニア術後慢性疼痛症例に対する鏡視下再手術の成績と至適術式の提案」です。
 鼠径ヘルニア手術は本邦で年間14万件施行されている手術ですが、その一方で、「術後慢性疼痛(CPIP)」が一定の頻度で起こることが知られています。CPIPに陥った患者さんのQOLは著しく阻害されることから、その予防および治療法の確立が急務であると考えています。今回の発表では、保存的加療無効難治性CPIPに対する手術加療のアプローチ方法について報告しました。
 私がCPIP診療に携わることになったきっかけは、2005年に筋萎縮性側索硬化症で天国に召された鼠径ヘルニア手術の師匠である山本俊二先生から、「これからは慢性疼痛だよ」というありがたいお言葉をいただいたことです。以降、このニッチな分野を邁進して参りました。当院での手術により疼痛が消失し、非常に喜ばれた患者さんもいる一方で、痛みが再燃して厳しくお叱りを受けたりと、いろいろなことがありました。この授賞を励みに、今後も手術手技だけでなく、患者さんの術後QOLに目を向けた診療および研究報告を続けていきたいと思います。
 研修医の頃から愛してやまないヘルニア外科ですが、この領域では初の授賞と聞き及んでおります。ヘルニア外科を愛するすべての先生方へのモチベーション向上につながれば幸いです。
 最後になりますが、本授賞に当たり、いつも一緒に働いてくれている京都医療センター外科の皆様、私を支えてくれている家族に、この場をお借りして感謝の意を表します。

カールストルツ賞 成田匡大先生